「花嫁へ会いに行く」
たったこれだけのことが、叶えられない仕事。
どーなってるのブライダル業界。
とか、いまさらだから吠えませんけど。
なぜならば、そんな業界に長くいますので、
今日までどーにもできなかった責任者の一人です。
ブライダル業界の成り立ちかたは、すこし複雑です。
長くおなじ業界にいるので、複雑になった経緯や、
複雑な形の現状はわかりますが、業界外の方からみると・・・。
意味不明の部分があると存じます。
なぜ複雑なのか?その理由を、ひとことで言うならば。
儀式が、産業化したから。
儲け、利益、売上、組織、このような部分へ、
「属する結婚式」になったから。
だと、自己考察ではありますが感じております。
花嫁へ会いに行く。
ブライダルスタイリストは、
花嫁と出会ったときから挙式前日まで、
多くの時間をかけて、一生に一度のドレス選びをご一緒します。
選んだドレスを纏い、最高に輝く準備をします。
お祝いのきもちを添えて。
ですが、挙式当日の花嫁には会えません。
美しく輝く姿を、直に見ることができません。
「おめでとうございます!」この一言を、
できあがった花嫁姿をまえにして伝えたくても、会いに行くことが叶いません。
ドレスサロンの現場の仕事があるから。
ブライダルスタイリストとして、現場接客のお仕事があります。
当然ですが、ドレスサロンは、
土日祝日が新規のお客さまで予約満載になります。
かき入れ時、売上あげる時です。
お昼ご飯が、いつになるかわからないほどの時もあります。
新規接客、担当のお客さまからの電話対応、
衣裳のことで式場が困ったときは、式場からの呼びだし対応などなど。
接客は、予約ですが、
電話やメールは予約ではありませんので、予期せぬこともあります。
現場の敏速な対応が必要です。
けったいな業務体制。
結婚式は、土日祝日がほとんど、
よって、ドレスサロン現場の忙しさとバッティングしています。
これは、仕方ないです。
よって、現場を抜けて、花嫁へ会いに行くことは叶わない状況です。
ここまでは、現実なのでまぁまぁ納得です。
ですが、ドレスサロンの現場を抜けてまで、
花嫁へ会いに行くことを会社は許可しません。
これが、けったいです!
許可さえでれば、方法は考えればいいだけです。
ちなみに、会いに行くことが、可能な状況は下記のような場合です。
・結婚式場インショップのドレスサロン勤務
・平日の結婚式
・ドレスサロンの現場仕事が入っていない
・時間的制約がないフリーのブライダルスタイリスト
担当した花嫁へ会いたい気持ちは、
ブライダルスタイリストのキャリアに関係ないです。
3か月~12か月もの時間を、
なんだかんだと悩みをお聞きしながらご一緒するのですから。
そして、ご一緒する間に、
どんどん綺麗になっていく姿をみてますから、
挙式当日の姿を一目でもみたい、会いたい気持ちになります。
「花嫁へ会いに行く」気持ちへ、
会いに行けないという制約がかかると、
気持ちは二つのうちのどちらかになります。
・むりだからあきらめる
・どうしても叶える
「どうしても叶える」を、選ぶと、
ふつふつと悪知恵が浮かびます。
ドレスサロンの現場仕事さえ
入っていなければ会いに行くことは可能です。
タイミングをみて、現場を抜け出せばいいだけですから。
新規の予約を、つめつめで入れなければいいだけです。
ただ、それを続けていると、
売り上げを逃してしまう可能性は高くなます。
「売り上げを上げること」
「花嫁へ会いに行く」どちらを選ぶかです。
ちなみに、私の仕事は、売上を上げることです。
「どうしても叶える」を選びました。
スタッフと示し合わせて、悪知恵を少しずつ決行しました。
土日ごとに、一人ずつ
「花嫁へ会いに行く」を叶えていきました。
スタッフの笑顔が、スペシャルになって事務所へ帰ってきます。
その姿を見るのが、めちゃくちゃ嬉しかったです。
疲れが吹き飛ぶというやつです。
もちろん、わたしも私が担当した花嫁へ会いに行きました。
会社へばれないように。(笑。
衣裳店の異変に、すこしずつ気づきはじめたのは、
おなじ組織内の式場スタッフです。
「最近・・・、衣裳店が・・・、よく来る?」
でも大丈夫です。
こんな時のために、社内営業は手ぬかりなくしていました
他の部署のスタッフは味方です。
結果。
一時的に、売上はへこみました。
ですが、取り返しました。
その理由は、もうお分かりだと思います。
スタッフが、スペシャル笑顔を事務所へ持ち帰ったからです。
よって、例年通り年間目標はクリアです。
結果よければすべて良し。
会社が、嫌がるであろうことを決行するには、
悪知恵と、すこしの勇気と、スタッフの協力が必要です。
あの時「どうしても叶える」を選ぶことができました。
ありがたい。です。
結び。
会いたい。会いたい気持ちって、しあわせですね。
その気持ちが、わきあがることが、そもそも大切なことで。
だから「会いたい気持ち」を、
形にしますよ!って、宣言して終わりにします。
では、では。
明日も会いましょう。